諸山
しょざん
名詞
標準
文例 · 用例
山と山神とは性格も容貌も二つに分つべからざる関係を持つことは翁が西国の諸山に間配って諸山の山神に仕立てた自分の子供たちによって知れるところのものである。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そしてまた西国の諸山と諸山に間配った自分の子どもたちの性格はおよそ山の祖神自身の性格の中に在るものであり、たとえ無かったものにしろそれは新に嚥み入れて自分の性格の複雑さを増し得た程度の積量のものであった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
風の便りに聞けば、山の眷属の西国の諸山にも急にこどもの出生の数を増したという。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
川上は高原、鷄頂の諸山が聳えて、海拔はさほどに高いところでは無いが山懷の窄いところを鬼怒川が怒流してゐるので氣流の加減によつてか、他處では雨が無かつたのに、聞けば毎日雨があつたといふことで、この日も驟雨的の雨が颯然と降り澆いだ。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
それは區の東南に當つて見えないが、中島遊園の樹木の黒い影を左りにして、西方に向ふと、限界は遠く藻巖、圓山、天狗、手稻の諸山まで開らけ、豐平川は、その南から東北に向つて、幾多の川洲を現じてゐる。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
東南の方ひらけて武蔵下野上野、筑波日光の諸山を望む。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
「此地遠望勢州之諸山、翠黛於雲辺」と註してある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
一望の中武庫摩耶の諸山近し。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫