ある事ない事
あることないこと
表現名詞
標準
mixture of fact and fiction
文例 · 用例
今度の船には飛んでもない一人の奥さんが乗り合わしていてね、その人がちょっとした気まぐれからある事ない事取りまぜてこっちにいってよこしたので、事あれかしと待ち構えていた人たちの耳にはいったんだから、これから先だってどんなひどい事をいわれるかしれたもんじゃないんだよ。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
いつぞや、鹿ヶ谷の山荘で、院もお出での席、こんな事もあったのでございますよ」 と陰謀の始めから終りまでを、ある事ない事まぜこぜてしゃべりたてた。
— 第二巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
――一つ一つの思い出が、ある事ない事、ぼうっとうかんできて、少将のやるせない慕情を一層激しくかきたてるのであった。
— 第三巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
さてはあの吉蔵めが、恋の叶はぬ意趣晴し、ある事ない事告げ口して。
— 清水紫琴 『したゆく水』 青空文庫
「伊丹屋の若旦那へ、ある事ない事|焚き付けて、お舟さんとの間を割いたのは千三つ屋の文吉だ。
— 許嫁の死 『銭形平次捕物控』 青空文庫
上告文には、坂東一帯の騒擾は、すべてこれ、彼の野望と、中央無視の反意によるものであるとなし――為ニ、荘園ハ枯渇シ、農民ハ焦土ニ泣涕流亡シ、ソノ暴状ハ鬼畜モヨク為ス所ニアラズ――と、誇張した文辞で、将門の反官的行為を、ある事ない事、針小棒大に書き出してある。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
が、だんだん僕の私行があらわれて来るに従って、吉弥の両親と会見した、僕の妻が身受けの手伝いにやって来たなど、あることないことを、狭い土地だから、じきに言いふらした。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
嘘をつくと承知しないぞ言はれたので、今までしたこと、あることないことを洒唖洒唖と言つた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
作例 · 標準
うわさではある事ない事が混在している。
SNSにはある事ない事が拡散される。
八卦による予言にはある事ない事が含まれている。
医療情報ウェブサイトにはある事ない事が書かれていることがある。