ぶる
ぶる
副詞
標準
文例 · 用例
快活で情愛があって、すこしも官吏ふうをせぬところから、場中の気受けも近郷の評判もすこぶるよろしかった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷はまだ手をぶるぶるさしてる。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
ゆえに社会的自個の行動は、毫も戒飭するところなく検束する趣なく、極めて随意に、心の動くままに振舞いたり、親鸞のいわゆる自然法爾なるものと、すこぶる相似たるの跡ありといえども、しかも子規子の態度は、釈迦如来の知らざるところ、親鸞上人の知らざるところなり、嗚呼あに偉ならずや、予はなお終に臨で一言せん。
— 正岡先生論 『絶対的人格』 青空文庫
十七日にゆくとしろ……えいか、そのつもりで小支度して置け」 学校へゆくは固より僕の願い、十日や二十日早くとも遅くともそれに仔細はないが、この場合しかも今夜|言渡があって見ると、二人は既に罪を犯したものと定められての仕置であるから、民子は勿論僕に取ってもすこぶる心苦しい処がある。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
それから「日記」を「にき」と書いてあるのも、これはすこぶる疑問でありまして、文字通り「ニキ」であったか「ニッキ」であったか、「ニッキ」というような促音は、これを書きあらわす方法がなかったものでありますから「にき」と書いていたのか、これは大分疑問だと思います。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
「白楊の枝の上で体をゆすぶる」セイレネスの妖態や「サチロス仲間に気に入る」バックス祭尼の狂態、すなわち腰部を左右に振って現実の露骨のうちに演ずる西洋流の媚態は、「いき」とは極めて縁遠い。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
つかれた生涯のあぢない晝にも孤獨の暗い部屋の中にもしぜんとやはらかく そよげる窓の光はきたるいきほひたかぶる機能の昂進そは世に艶めけるおもひのかぎりだ勇氣にあふれる希望のすべてだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
蟾蜍雨景の中でぽうとふくらむ蟾蜍へんに膨大なる夢の中でお前の思想は白くけぶる。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫