文界
ぶんかい
名詞
標準
文例 · 用例
人の知った、大作家、文界の巨匠である。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
と云ふのは、文界に子が多少でも名を知られて來たと云つて、父は非常に喜んだのを、義雄は今思ひ出したからである。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
が、詩界から散文界に移つたゆるみがまだ直らないで、新らしい立ち場を社會的に樹立してゐないのが、如何にも義雄の苦痛だ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
義雄は文學を以つて東都の文界に多少の名を知られてゐたものだが、その勞力に報いることの少い原稿生活に飽きが來たのが原因で、こんな失敗をした。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
義雄はそれを見て自分の説が大して影響してゐないのに失望すると同時に、自分はそんな頼母しくもない東京の文界へ再び舞ひもどる氣がしない。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
いはんや中川氏他日もし文界に名を成さば、この書あるいは氏の名によつて、世に記憶せらるるに至るも計るべからざるをや。
— 夏目漱石 『『文学論』序』 青空文庫
この傾向を首肯いつつ、文芸委員のするという選抜賞与の実際問題に向うならば、公平にして真に文界の前途を思うものは、誰しもその事業に伴う危険と困難とを感ずべきはずである。
— 夏目漱石 『文芸委員は何をするか』 青空文庫
逍遙子の諸評語小説三派(小羊漫言七一面より)及梓神子(春廼舍漫筆一五一面より) さきにわれ忍月、不知庵、謫天の三人を目して新文界の批評家とせしことあり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫