舐
舐
名詞
標準
文例 · 用例
――額をみ給へ――一度は神も客観してやりました――不合理にも存在価値はありませうよだが不合理は僕につらい――こんなに先端に速度のある自棄 々々 々々下駄の歯は僕の重力を何といつて土に訴へます「空は興味だが役に立たないことが淋しい――精神の除外例にも物理現象に変化ない」ガラスを舐めて蠅を気にかけぬ
— 中原中也 『(古る摺れた)』 青空文庫
虫の飛交ふ梢のあたり、舐子のお道化た踊り。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
駒ヶ岳の麓、台ヶ原の客舎に昼餐を了りたる束の間に、禿筆を舐ぶりて偶感を記す、その文を成さざる、冀くは我が興の高きを妨ぐるなからむ。
— 小島烏水 『山を讃する文』 青空文庫
氷河は勿論だが、雪|辷りが山側を磨擦する時は、富士山の剣丸尾熔岩流のように、長い舌の形によって、その舐めた痕跡が残る。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
つまり舐めるだけは舐めてもいい。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
いいかい、利子を舐め舐め生きてる分には差支えない。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
弟は、うすい下唇をちろちろ舐めながら、寢がへりもせず聞いてゐたが、けつこんするのか、と言ひにくさうにして尋ねた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
馬場は躊躇せず、その報いられなかつた世界的な名手がことさらに平氣を裝うて薄笑ひしながらビイルを舐めてゐるテエブルのすぐ隣りのテエブルに、つかつか歩み寄つていつて坐つた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫