曲げ木
まげき
名詞
標準
文例 · 用例
また時には窓際の曲木の椅子に腰掛けて、庭の景色や、向う側の病室の窓の中をぼんやり眺めてゐる事が出來るやうになつた。
— 南部修太郎 『病院の窓』 青空文庫
丁度、見舞ひに來た友達が歸つて間もない頃の事で、ふと物寂しい氣持になつた私はまた窓際の曲木の椅子に凭りながら、そのすがすがしい病院の庭の暮色を眺めてゐた。
— 南部修太郎 『病院の窓』 青空文庫
私はぽつかりと電氣の點いた靜かな部屋の窓際に、何時ものやうに曲木の椅子に凭りながら凉しい風に吹かれてゐた。
— 南部修太郎 『病院の窓』 青空文庫
私たちは卓子や曲木の椅子や、籐の寝椅子やをその中に据ゑた。
— ――震災手記断片―― 『竹林生活』 青空文庫
岩をくり抜いて作った、幾つかの部屋部屋には、壁に、斜め市松の切り子ガラスなど、はめられているけれども、総じて無装飾な、真っ黒にくすぶり切った、椅子や曲木の寝床などが散在しているにすぎなかった。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
一ツ橋門外の二番御|火除け地の隅に居据っている雪だるまも、一方に曲木家の御用屋敷を折り廻しているので、正月の十五日頃までは満足にその形骸を保っていたが、藪入りも過ぎた十七日には朝から寒さが俄かにゆるんだので、もう堪まらなくなって脆くもその形をくずしはじめた。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
椅子も卓子もなく、ただ粗末な食堂用らしい曲木細工の椅子が、ただ一つ塵にまみれて、棄て置かれてあった。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
「あの鬼草の金棒は曲木の杖、評判でさあ。
— 無明の夜 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫