見るさかい
みるさかい
動詞
標準
文例 · 用例
まちの誰かれ見さかいなくつかまえて来ては、その金山のこと言って、わたくしは恥ずかしくて死ぬるほどでございました。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
おじさんがいらっしゃるのに、見さかいがない。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
僕にはねえ」私の顔をちらと見てから、口角に少し笑いを含めて、「ひとの見さかいができねえんだ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
」 眼鼻の線の見さかいがつくようになると、大隊長は、それが自分の従卒だった吉原であることをたしかめた。
— 黒島伝治 『橇』 青空文庫
もう炎天と飢渇の為に人にも鳥にも、親兄弟の見さかいなく、この世からなる餓鬼道じゃ。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
「しかし相手が畜生ですからねえ」「畜生だからたれかれの見さかいなしに飛びかかった……。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
一方ではまた、大小方円の見さかいもつかないほどに頭が悪いおかげで大胆な実験をし大胆な理論を公にしその結果として百の間違いの内に一つ二つの真を見つけ出して学界に何がしかの貢献をしまた誤って大家の名を博する事さえある。
— 寺田寅彦 『科学者とあたま』 青空文庫
しかるに「故に曰く一以て之を貫く」などというのは、筋は間違ってはいないが見さかい無しの言葉と云うものである。
— 幸田露伴 『一貫章義(現代訳)』 青空文庫