蹌踉け
よろけ
名詞
標準
文例 · 用例
」と半纏の襟を扱きながら、お蔦が襖から、すっと出て、英吉の肩へ手を載せると、蹌踉けるように振向く処を、入違いに床の間を背負って、花を庇って膝をついて、「厭ですよ、私が活けたのが台なしになります。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
) と、幹事が今は蹌踉けながら手探りで立とうとする。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
時に大浪が、一あて推寄せたのに足を打たれて、気も上ずって蹌踉けかかった。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
怪飛んだようになって、蹌踉けて土砂降の中を飛出すと、くるりと合羽に包まれて、見えるは脚ばかりじゃありませんか。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
」と押殺した低声で独言を云ったと思うと、ばさりと幕摺れに、ふらついて、隅から蹌踉け込んで見えなくなった。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
泥々に酔って二階へ押上って、つい蹌踉けなりに梯子段の欄干へつかまると、ぐらぐらします。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
」と其の握拳で、己が膝を礑と打つたが、力余つて背後へ蹌踉ける、と石垣も天守も霞に揺れる。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
背後に蹌踉けて渋面せしが、たちまち笑顔になりて、「許させられい、許させられい。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫