飽慾
飽慾
名詞
標準
文例 · 用例
家来朋友と程々に楽しむを以つて最なるものとし、独味飽慾はいやしむべし。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
悪貨濫発が、いかに正直な細民生活を、底の底までへ、みじめに、突き落しているか、幕府の一部大官たちのみに、いよいよ飽慾享楽の資をゆたかにさせているか、赤穂の田舎にいても、それは分るし、波紋は遠くても、江戸の状態と、ちがわないものが、地方の諸所にも、結果している。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
――ただその利は、自分一個で飽慾しようとは致しません。
— 桃園の巻 『三国志』 青空文庫
そして若い彼と異性の肌から醗酵する、汗の香、涙の香、黒髪の香が……燃え抜けた飽慾のあとの肉体にあまい気だるさとなって、いつまでもうっとりと、彼女の泣きぬれた顔が見まもられていた。
— 吉川英治 『雲霧閻魔帳』 青空文庫