慕
慕
名詞
標準
文例 · 用例
そんな訳であるから、遠くに先生を敬慕した人はもちろん非常に多かったに相違ないが、近づいて親密にした人は割合にすくない。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
長塚が始めて先生に逢った時、長塚は先生の俳句及び歌の、自分が面白く感じた数十首をことごとく記臆していてこれを暗誦したのには、先生も一驚を喫したそうで、一体長塚は記臆のよい男であるが、先生を慕うこと深くなければ、決してそんなことが出来るものでない。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
例えば、「妹」という語は「伊毛」とも「伊母」とも「以母」「移母」「異母」「伊慕」「伊茂」「伊暮」とも書いている。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
それ故、奈良朝において同音を表わした「伊」「以」「移」等の一類は後世の仮名「い」に相当し、「毛」「母」「慕」等の一類は後世の「も」に相当するのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
あの實在の世界への、故しらぬ思慕の哀傷にある。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
やさしく歌口をお吹きなさいとうめいなる空にふるへてあなたの蜃氣樓をよびよせなさい思慕のはるかな海の方からひとつの幻像がしだいにちかづいてくるやうだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
白晝のかなしい思慕からなにをあだむが追憶したか原始の情緒は雲のやうでむげんにいとしい愛のやうではるかな記憶の彼岸にうかんでとらへどころもありはしない。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
思慕のはるかな海の方からひとつの幻像がしだいにちかづいてくるやうだ。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫