淡彩
たんさい
名詞
標準
light colouring
文例 · 用例
一群の人たちは、遅塚麗水、大町桂月、江見水蔭、田山花袋、久保天随、坪谷水哉などであるが、花袋が紀行文家と言われた時分は、自然派文学勃興以前のことで、文章に感傷癖はあったが、淡泊清新、ことに武蔵野あたりの原野や雑木林の寂しさを、淡彩的に点描するのに巧みであった。
— ――田山花袋氏―― 『紀行文家の群れ』 青空文庫
なるほどそう言われてみると自分のかいた顔は普通の油絵らしくなくて淡彩の日本画のように白っぽいものである。
— 寺田寅彦 『自画像』 青空文庫
文学の友だちもたくさんあって、その友人たちと「十字街」という同人雑誌を発行し、ご自身は、その表紙の絵をかいたり、また、たまには「苦笑に終る」などという淡彩の小説を書いて発表したりしていました。
— 太宰治 『兄たち』 青空文庫
紅、白、緋、濃艷、淡彩、其の唯一輪の花開いて、薹に金色の町名を刻むとせよ、全町立處に樂園に化して、いまは見えぬ、團子坂、入谷の、菊、朝顏。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
実際、雲の青い山の奥から、淡彩の友染とも見える、名も知れない一輪の花が、細谷川を里近く流れ出でて、淵の藍に影を留めて人目に触れた風情あり。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
ゆかただか、羅だか、女郎花、桔梗、萩、それとも薄か、淡彩色の燈籠より、美しく寂しかろう、白露に雫をしそうな、その女の姿に供える気です。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
灰色の雲垂れかゝる枯野哉 漱石 此れも極めて平易なやうで、しかも雪空の如實な描寫であり、一幅の淡彩畫である。
— 寺田寅彦 『天文と俳句』 青空文庫
△田岡春径――『南総宮谷の秋二題』色感及び線の動きの特長も日本画としての優れた点がこの辺にあらう、たゞ淡彩から極彩へ移るときに失敗がある。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の描く風景画は、淡彩で優しい雰囲気を醸し出している。
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この浴衣は、淡彩の花柄が涼しげで美しい。
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茶道では、淡彩の器が好んで用いられることがある。
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