縁類
えんるい
名詞
標準
文例 · 用例
」 と扇子を倒すのと、片膝力なく叩くのと、打傾くのがほとんど一緒で、「仔細なく当方の願が届くかどうかの、さて、」 と沈む……近頃見附けた縁類へ、無心合力にでも行きそうに聞えて、「何せい、煙硝庫と聞いたばかりでも、清水が湧くようではない。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
芝、品川の海の景色、のびのびと、足にまかせて大森の宿中まで行くと、街道をひいて通るのではない、馬五郎、という大工が、このあたりに縁類の久しい不沙汰をしたのがあり、ちょっと顔出して行きたし、お前さん方は一足お先へ。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
」で、馬五郎がその縁類を訪れた。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
縁類は皆遠く他国した。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
それが有つたからといふのも一つの事情か知らぬが、又貞盛縁類といふことも一ツの理由か知らぬが、又打つてかゝつて来たからといふのも一の所以か知らぬが、常陸介を生捕り国庁を荒し、掠奪焚焼を敢てし、言はず語らず一国を掌握したのは、相馬小次郎も図に乗つて暴れ過ぎた。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
田舎の縁類の人の噂も出た。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
その外|今川橋の飴屋、石原の釘屋、箱崎の呉服屋、豊島町の足袋屋なども、皆縁類でありながら、一人として老尼の世話をしようというものはなかった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
日が暮れると、九段富士見町の縁類へ、年始のためだといって、出かけて行った。
— 菊池寛 『仇討三態』 青空文庫