背山
せやま
名詞
標準
文例 · 用例
……妹背山の言立てなんぞ、芝居のは嫌ひだから、青ものか、魚の見立てで西の海へさらり、などを聞くと、又さつ/\と行く。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
「妹背山深き道をば尋ねずてをだえの橋にふみまどひける そうでしたよ」 と真底から感じているふうで中将は言った。
— 藤袴 『源氏物語』 青空文庫
「まどひける道をば知らず妹背山たどたどしくぞたれもふみ見し と申されます」 と女主人の歌を伝えてからまた宰相は言う、「どのことをお言いになりますことかそのころはおわかりにならなかったようでございます。
— 藤袴 『源氏物語』 青空文庫
「妹背山婦女庭訓」吉野川の場である。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
岩にせかれて咽び落ちる山川を境いにして、上の方の背山にも、下の方の妹山にも、武家の屋形がある。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
背山の家には簾がおろされてあったが、腰元のひとりが小石に封じ文をむすび付けて打ち込んだ水の音におどろかされて、簾がしずかに巻きあげられると、そこにはむらさきの小袖に茶宇の袴をつけた美少年が殊勝げに経巻を読誦している。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
背山の方は大判司清澄――チョボの太夫の力強い声によび出されて、仮花道にあらわれたのは織物のをきた立派な老人である。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
妹背山の舞台に立った、かの四人の歌舞伎|俳優のうちで、三人はもう二十年も前に死んだ。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫