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髪風

かみかぜ
名詞
1
標準
文例 · 用例
詩人は声はり上げて『わが心高原にあり』をうたい、『いざ去らば雪をいただく高峰』の句に至りて、その声ひときわ高く、その目は遠く連山の方を見やりて恋うるがごとく、憤るがごとく、肩に垂るる黒髪風にゆらぎ昇る旭に全身かがやけば、蒼空をかざして立てる彼が姿はさながら自由の化身とも見えにき。
国木田独歩 青空文庫
声を放つて漁夫の詞を誦して、素髪風に随せて揚げ遠心雲と与に遊ぶといふに至つて、立つて舞はんと欲しぬ。
幸田露伴 鼠頭魚釣り 青空文庫
人様々の顔の相好、おもいおもいの結髪風姿、聞覩に聚まる衣香襟影は紛然雑然として千態|万状、ナッカなか以て一々枚挙するに遑あらずで、それにこの辺は道幅が狭隘ので尚お一段と雑沓する。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
煙霞有情鼓うちつつ、冴えつつ、舟にて通ふ沼の女、芽柳かすむ朝とて黒髪風になびきぬ。
北原白秋 第二海豹と雲 青空文庫
前額に二、三寸に梳れる程の髪を残してあとは丸坊主の子、辮髪風に色の布で飾ったお下げを左右に残すもの、或は片々だけに下げているもの。
上村松園 中支遊記 青空文庫
にょッきと、星の空にそびえた一本の白樺、その高き枝にみどりの黒髪風に吹かして、腰かけていたひとりの美少女、心なくしてふと見れば、黒百合谷の百合の精か星月夜のこぼれ星かとうたがうだろう――ほどに気だかい美少女が、手にしていた横笛を、山千鳥の啼くかとばかり強く吹いた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
だが、二官の如く、その使命をつくすどころか、信奉はころび、その上に、この国の女と子までなして、髪風俗まで変えてしまった恥知らずは一人もなかった」「形の上では言い訳がない。
吉川英治 江戸三国志 青空文庫
私達は鶴さんに踊りを所望すると、他の老妓の蛇皮線に合せて、彼女は例の紺ガスリ、前結びの帶、櫛髮風の姿で、いろ/\の踊を舞ふ。
濱田耕作 沖繩の旅 青空文庫