破れ垣
やれがき
名詞
標準
文例 · 用例
何故かと云へば、卒塔婆の破れ垣の横を通つてその入口に達すると「あづまアバート」と書いた木札がかかつてゐて、ちやんと、アパートではないとことわつてゐる。
— 武田麟太郎 『日本三文オペラ』 青空文庫
清麿の家は、破れ垣に囲まれていた。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
――そこの破れ垣根からむこうは、稲荷の森だったが、さっきからその辺を、無数の蟇が這うようにうごいて来る人影があった。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
それに、わしももう年齢が年じゃし」 破れ垣の外でまた、「乙若どの。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫
破れ垣の一草庵と思いきや、粗末な荒土ながら土塀がひろく繞らしてある。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
――どこへお出かけじゃ、お寄りなされ」 ちょうど、破れ垣の外を通りかかった往来の人影が、垣ごしに、彼へ答えた。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
おたがい、若い頃の、破れ垣、夕顔棚の貧乏暮しのときから、褌一ツで、肝胆のかたらいもし、出ては、莫迦もしあい、ときには喧嘩もし、(貴様の、いいところには、ずいぶん惚れるが、阿呆なところには、つきあわんぞ) 一方がいえば、一方も、(おぬしの短所は、あいそがつきる。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
寺の破れ垣からそれを竹藪へ抛り込むと、がさっと、闇が鳴った。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫