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茄子畑

なすばたけ
名詞
1
標準
文例 · 用例
それでも或日の四時過ぎに、母の云いつけで僕が背戸の茄子畑に茄子をもいで居ると、いつのまにか民子が笊を手に持って、僕の後にきていた。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
茄子畑というは、椎森の下から一重の藪を通り抜けて、家より西北に当る裏の前栽畑。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
水のように澄みきった秋の空、日は一間半ばかりの辺に傾いて、僕等二人が立って居る茄子畑を正面に照り返して居る。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
茄子畑の事や棉畑の事や、十三日の晩の淋しい風や、また矢切の渡で別れた時の事やを、繰返し繰返し考えては独り慰めて居った。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
娘の帯の、銀の露の秋草に、円髷の帯の、浅葱に染めた色絵の蛍が、飛交って、茄子畑へ綺麗にうつり、すいと消え、ぱっと咲いた。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
お山の草叢から、黄腹、赤背の山鱗どもを、綯交ぜに、三筋の処を走らせ、あの踊りの足許へ、茄子畑から、にょっにょっと、蹴出す白脛へ搦ましょう。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
その声が、直ぐ耳近に聞こえたが、つい目前の樹の枝や、茄子畑の垣根にした藤豆の葉蔭ではなく、歩行く足許の低い処。
泉鏡花 海の使者 青空文庫
曙は知らず、黄昏に此の森の中辿ることありしが、幹に葉に茜さす夕日三筋四筋、梢には羅の靄を籠めて、茄子畑の根は暗く、其の花も小さき實となりつ。
泉鏡花 森の紫陽花 青空文庫