鉗鎚
鉗鎚
名詞
標準
文例 · 用例
大衆を啓蒙すべきか、二、三の法種を鉗鎚すべきか、支那の飢饉に義捐すべきか、愛児の靴を買うべきかはアプリオリに選択できることではない。
— ――教養と倫理学―― 『学生と教養』 青空文庫
――東京に帰りし後は小沢碧童氏の鉗鎚を受くること一方ならず。
— 芥川龍之介 『わが俳諧修業』 青空文庫
しかしその理に想到し、自らの問が客観的には答うべからざるものなることを悟ってこれを断念し、それを悟らしめるために慈悲の鉗鎚を加えた先師が、その死にかかわらず今もなお生きて自己の内にはたらくことを自覚すれば、死にして生という死復活の真実が実証せられるわけである。
— 田辺元 『メメント モリ』 青空文庫
この横着さは、彼がまだ元服前から、なんのかんのと、折々に禅でいためつけられて来た那須の雲巌寺の客僧、疎石禅師の鉗鎚のおかげといえぬこともない。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
あんなにも師の鉗鎚にたたかれてきた禅。
— 黒白帖 『私本太平記』 青空文庫
植村は中年で僧侶になったもの故、殊に目をかけて、我慢の角を矯め、且つ他時異日の発展を期せんとて、痛く鉗鎚を加えられたものと見える。
— 鈴木大拙 『釈宗演師を語る』 青空文庫