転形
てんけい
名詞
標準
文例 · 用例
最近の三四年の生活を顧ると様々の転形に於てその問いは激しく人々の心に在って、而もそれに対する答えは、形の上で矢つぎ早に提示されつつ、しんのところではいかにも尻切とんぼに終って来ている気がする。
— ――文学に求められているもの―― 『生産文学の問題』 青空文庫
時代によって、人間の善意の表現も極々の転形を示すのだが、今日私たち日本の文学の成長の可能は、どんなところにかくされているのだろうか。
— 宮本百合子 『地の塩文学の塩』 青空文庫
続いて、有名な「蟹工船」が書かれ、「不在地主」「工場細胞」「オルグ」「独房」「転形期の人々」「沼尻村」と精力的に作品が送り出されたが、我々が特別注目し又感歎するのは、同志小林多喜二が一つの作品から一つの作品へと常に前進しつづけたプロレタリア作家としての努力、覚悟についてである。
— ――作品を中心として―― 『同志小林多喜二の業績』 青空文庫
言葉の意味から云えば文明開化にしろ進歩にしろ、等しく明治初年の日本の思想運動にも大戦後の日本の思想運動にも使って使えない言葉ではないが、歴史的転形の必然そのものを特に自覚せざるを得ない現代の思想運動にとっては、特別に進歩という歴史的観念を必要とするわけなのだ。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
そして父様の御説のとおり類人猿間には立派に体系づけられた言語が存在し、その語根は前世紀|類人や原始人、第二直立猿人らが口にしたと思推し得られる古代セミティック訛成転形語前の語根と同一であったということを疑わずして信じていることにしよう。
— 橘外男 『令嬢エミーラの日記』 青空文庫
そして今日人間がかくも問題的となつたといふことは、我々の時代がまさに社會の轉形期であるといふことの徴候のひとつと見られることが出來る。
— 三木清 『歴史哲學』 青空文庫