春告げ
はるつげ
名詞
標準
文例 · 用例
立ち籠むる霞の彼方に驅入れば、 小高き山に岩とがり、枯枝は去歳の嵐に吹き折られ、 其まゝ元梢に垂れかゝる; さびしさ凄し、たれやたれ、 われを欺き、春告げし。
— 北村透谷 『北村透谷詩集』 青空文庫
嘆き、わづらひ、くるしみの海にいのちの舟うけて夢にも泣くか塵の子よ、浮世の波の仇騷ぎ雨風いかにあらぶとも忍べ、とこよの花にほふ――港入江の春告げて、流るゝ川に言葉あり、燃ゆる焔に思想あり、空行く雲に啓示あり、夜半の嵐に諫誡あり、人の心に希望あり。
— 土井晩翠 『天地有情』 青空文庫
『春告鳥』のうちに「生質|野夫にて世間の事をすこしも知らず、青楼妓院は夢にも見たる事なし。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
『春告鳥』の中で「入り来る婀娜者」は「褄をとつて白き足を見せ」ている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
『春告鳥』は「主女に対する客人のいで立ち」を叙して「上着は媚茶の……縞の南部縮緬、羽織は唐桟の……ごまがら縞、……その外持物懐中もの、これに準じて意気なることと、知りたまふべし」といっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
「金銀にて蝶々を縫ひし野暮なる半襟をかけ」と『春告鳥』にもある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
また『春告鳥』に「御納戸と媚茶と鼠色の染分けにせし、五分ほどの手綱染の前垂」その他のことを叙した後に「意気なこしらへで御座いませう」といってある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
『春告鳥』のうちに「生質野夫にて世間の事をすこしも知らず、青楼妓院は夢にも見たる事なし。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫