熨す
のす
動詞
標準
文例 · 用例
服は着たるばかりなりと覚しく、手にて皺を熨すように撫で、埃を払うように叩きつつ、寝間の戸を開けて登場。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
がたがたと動いていたミシンの音が止ると、彼は裁板の前に坐って、縫目を熨すためにアイロンを使いはじめた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
広い波の面は熨すやうに平かで、只私達のゐる巌角の下だけに烈しい争闘が行はれ、恐ろしい叫喚の響きがしてゐるばかり、それも大きな眺めに圧せられて、柔かな一定のリズムをなした楽の音のやうに聞きなされる。
— 吉江喬松 『伊良湖の旅』 青空文庫
東風のどかにして、海波熨するが如く、布帆みな坐するが如し。
— 大町桂月 『杉田の一夜』 青空文庫