抗い
あらがい
名詞
標準
文例 · 用例
非情の自然が、自らその頑な固定性に飽いて、抗い出た自己嫌悪の旗印か、または非生の自然に却って生けるものより以上の意志があって、それを生けるものに告げようとする必死の象徴ででもあるのであろうか。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
その本流と可児川の合するところ、急奔し衝突し、抱合し、反撥する余勢は、一旦、一大|鉄城のごとく峭立し突出する黒褐の岩石層の絶壁に殺到し、遮断されて水は水と撃ち、力は力と抗い、波は岩を、岩は波を噛んで、ここに囂々、淙々の音を成しつつ、再び変圧し、転廻し、捲騰し、擾乱する豪快無比の壮観を現出する。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
之は抗い難きニヒリズムである。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
何で御意に抗いましょう。
— 林不忘 『元禄十三年』 青空文庫
「やあこいつらア反抗いするぞ!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
年を経るにしたがって彼女は益※美しくなり、自ら品位も立ち勝り、いかなる男も彼女の前では抗い難く思われるほどの、強い魅力を持つようになった。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
その日暮しに抵抗いたします。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
それに対して抗いつつ、或る必要な力をもっていないという自覚に苦しんでいる、そこから現代のトスカが湧くのである。
— ――横光氏の「厨房日記」について―― 『「迷いの末は」』 青空文庫