統一体
とういったい
名詞
標準
文例 · 用例
すなわち、祖先代々より遺伝し来りたる無量の記憶と、その血統中に包含されたる各人種、各家系、各個性等の無数の性能の統一体たる一個の人間の性格のうち、その一部が覚醒中に分離してあらわれたるものが所謂二重人格にして、同じく睡眠中に発露されたるものが夢中遊行症なり。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
人間は言うまでもなく精神物理的統一体である。
— 三木清 『マルクス主義と唯物論』 青空文庫
が、実は感覚的表徴のそれのごとく象徴せられた複合的綜合的統一体なる表徴能力を所有することは不可能なことである。
— 感覚活動と感覚的作物に対する非難への逆説 『新感覚論』 青空文庫
おそらく、すべての者の運命は、全能の「想像主」である死によって、ある非常に甘美な、感情のない統一体へと作り変えられるべきものである。
— AT HAKATA 『博多にて』 青空文庫
あらゆる統一体はつぎには分解に到らなければならない。
— THE STONE BUDDHA 『石仏』 青空文庫
性的交渉の苦々しさを知らぬ女として生活し得る社会になってこそ、そのような恋愛をし得てこそ、始めて女は絶大のよろこびをもって、階級的統一体としての美を男の内にも発見し描き得る。
— 宮本百合子 『婦人作家は何故道徳家か? そして何故男の美が描けぬか?』 青空文庫
同時に文部省が五十万円の補助金を出して、文部・外務・民間思想文化連合の統一体として財団法人「中央文化連盟」が結成された。
— 宮本百合子 『矛盾の一形態としての諸文化組織』 青空文庫
能動精神の提唱に続いてヒューマニズムの問題をとりあげた当時の日本の作家たちは、この一つの声の中に数年来の社会的・文学的諸課題を投げ入れて社会感情の統一体として提出したのであった。
— 宮本百合子 『昭和の十四年間』 青空文庫