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爪紅

つまくれない
名詞
1
標準
文例 · 用例
爪紅と云って、貴娘、紅をさしたような美い手の先を台なしになさるから、だから云うんです。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
顔はかくれて、両手は十ウの爪紅は、世に散る卍の白い痙攣を起した、お雪は乳首を噛切ったのである。
泉鏡花 木の子説法 青空文庫
優しさよ、松蔭の清水、柳の井、音に雫に聲ありて、旅人に露を分てば、細瀧の心太、忽ち酢に浮かれて、饂飩、蒟蒻を嘲ける時、冷奴豆腐の蓼はじめて涼しく、爪紅なる蟹の群、納涼の水を打つて出づ。
泉鏡花 月令十二態 青空文庫
其処どころぢやに因つて私が後見助言の為て、勝れた、優つた、新しい、……可かの、生命のある……肉附もふつくりと、脚腰もすんなりした、膚の佳い、月に立てば玉のやう、日に向へば雪のやうな、へい、魔王殿が一目見たら、松脂の涎を流いて、魂が夜這星に成つて飛ぶ……乳の白い、爪紅の赤い奴を製作へると言はぬかい!
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
同じ紅色でも前記の素足の爪紅に比べるとこのほうは美しく典雅に見られた。
寺田寅彦 自由画稿 青空文庫
早速に一人が喜助と云う身で、若い妓の袖に附着く、前後にずらりと六人、列を造って練りはじめたので、あわれ、若い妓の素足の指は、爪紅が震えて留まる。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
漣の寄する渚に桜貝の敷妙も、雲高き夫人の御手の爪紅の影なるらむ。
泉鏡花 一景話題 青空文庫
お夏は後生大事に、置いた処を爪紅の尖で圧えながら、「ちらちらするね、きっと飲んでおいでだよ。
泉鏡花 三枚続 青空文庫