紅々
紅々
名詞
標準
文例 · 用例
合天井なる、紅々白々牡丹の花、胡粉の俤消え残り、紅も散留って、あたかも刻んだものの如く、髣髴として夢に花園を仰ぐ思いがある。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
郊外は南北凡そ皆蓮池にて、花開く時、紅々白々。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
入梅になッてからは毎日の雨降、其が辛と昨日霽ツて、庭|柘榴の花に今朝は珍らしく旭が紅々と映したと思ツたも束の間、午後になると、また灰色の雲が空一面に擴がり、空氣は妙に濕氣を含んで來た。
— 三島霜川 『虚弱』 青空文庫
(二十七) 市郎が駅を抜けて村境に着いた頃には、旭日が已に紅々と昇った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
恋の玉座 ダンテ・ゲブリエル・ロセッティ心のよしと定めたる「力」かずかず、たぐへみれば、「真」の唇はかしこみて「望」の眼、天仰ぎ「誉」は翼、音高に埋火の「過去」煽ぎぬれば飛火の焔、紅々と炎上のひかり忘却の去なむとするを驚し、飛び翔けるをぞ控へたる。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
恋の玉座 ダンテ・ゲブリエル・ロセッティ心のよしと定めたる「力」かずかず、たぐへみれば、「真」の唇はかしこみて「望」の眼、天仰ぎ「誉」は翼、音高に埋火の「過去」煽ぎぬれば飛火の焔、紅々と炎上のひかり忘却の去なむとするを驚し、飛び翔けるをぞ控へたる。
— 上田敏訳詩集 『海潮音』 青空文庫
戀の玉座心のよしと定めたる「力」かずかず、たぐへみれば、「眞」の唇はかしこみて「望」の眼、天仰ぎ「譽」は翼、音高に埋火の「過去」煽ぎぬれば飛火の焔、紅々と炎上のひかり忘却の去なむとするを驚し、飛び翔けるをぞ控へたる。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
好きな巻煙草をもそこへ取出して、火鉢の灰の中にある紅々とおこった炭の焔を無心に眺めながら、二三本つづけざまに燻して見た。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫