諸縁
しょえん
名詞
標準
文例 · 用例
国のために、道のために、主義のために、真理の探究のために心を潜めるものは、今日でも「諸縁を放下すべき」であり、瑣々たる義理や人情は問題にしないのである。
— 寺田寅彦 『徒然草の鑑賞』 青空文庫
ましてやここは諸縁断絶、罪ある者とてもひとたびあれなる総門より寺内に入らば、いかなる俗法、いかなる俗界の掟を以てしても、再び追うことならぬ慈悲の精舎じゃ。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
……葉ぼたん抜かれる今年も暮れる今年も今夜かぎりの雨となりそれでは昭和五年よ、一九三〇年よ、たいへんお世話になつた、各地の知友福寿長久、十方の施主災障消除、諸縁吉祥ならんことを祈ります。
— 三八九日記 『行乞記』 青空文庫
所謂猛烈にして諸縁を放下し、專一に己事を究明する之を上等と名づく。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
いわゆる猛烈にして諸縁を放下し、専一に己事を究明するこれを上等と名づく。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
猛烈に諸縁を放下して專一に己事を究明することを上等となし、修業純ならず、駁雜にして學を好む、これを中等となし、自ら己靈の光輝を昧まして、たゞ佛祖の涎唾を嗜む、これを下等といつた。
— 林芙美子 『ボルネオ ダイヤ』 青空文庫
哀れや瀧口、世を捨てん身にも今を限りの名殘には一切の諸縁何れか煩惱ならぬはなし。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
一切諸縁に離れたる身、今更ら返らぬ世の浮事を語り出でて何かせん。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫