左往
さおう
名詞
標準
文例 · 用例
人々の右往左往する間に、記録者は机を解剖臺に近く寄せて、紙を改めて次ぎの瞬間を待ちかまへた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
飛び廻る自動車も、忙しそうに歩く行人も、右往左往に悲叫遁走する、あらゆる生物の、混乱の姿ででもあるかのように取られた。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
四十年に一度の暑さの中を政界の巨星連が右往左往した。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
文脈がいよいよ不可思議に右往左往するのである。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
指導者たちは、ただ泡を食って右往左往しているばかりだ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
」その声を聞き、忽ち先を争って、手のある限りの者は右往左往、おのれの分前を奪い合った。
— 太宰治 『心の王者』 青空文庫
モンマルトルは相も変わらず放縦な展覧会が開催されて、黒い山高帽の群とメランコリックな造花の女が、右往左往していました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
このポール商会を太田ミサコの夫が事務服をつけて急がしそうに右往左往した。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫