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青桐

あおぎり
名詞
1
標準
文例 · 用例
もう一晩この家に寝かせて下さい、玄関の夾竹桃も僕が植えたのだ、庭の青桐も僕が植えたのだ、と或る人にたのんで手放しで泣いてしまったのを忘れていない。
太宰治 十五年間 青空文庫
青桐の木の向うには平たい芝生の庭があつた。
南部修太郎 病院の窓 青空文庫
ねり絲のやうなしめやかな雨が青桐の葉や、芝生や、樹木の若葉をしつとりと濡らして、朝から夜がくるまで降り續けてゐる事があつた。
南部修太郎 病院の窓 青空文庫
窓の並んだ形が、椅子をかたづけた学校に似ていたが、一列に続いて、ざっと十台、曲尺に隅を取って、また五つばかり銅の角鍋が並んで、中に液体だけは湛えたのに、青桐の葉が枯れつつ映っていた。
泉鏡花 古狢 青空文庫
中庭の青桐の若葉の影が拭きぬいた廊下に映ってぴかぴか光っている。
国木田独歩 疲労 青空文庫
旅への誘いは、私の疲労した心の影に、とある空地に生えた青桐みたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の方則が反覆している、人間生活への味気ない嫌厭を感じさせるばかりになった。
散文詩風な小説 猫町 青空文庫
濡れた飛石をわたつて、楓や青桐のあひだをそちこち歩いた。
徳田秋聲 草いきれ 青空文庫
いちじくの青い広葉はもろそうなものだが、これを見ていると、何となくしんみりと、気持ちのいいものだから、僕は芭蕉葉や青桐の葉と同様に好きなやつだ。
岩野泡鳴 耽溺 青空文庫