近付く
ちかづく
動詞
標準
文例 · 用例
(F・O)○=(F・I)淋しい処 ふんぞり七兵衛の指揮する一隊がひそんで居る其処へ例の乗物と侍乙、更にそれを追うなりひらが近付く。
— 山中貞雄 『なりひら小僧』 青空文庫
風雨を冒して、冒険的に近付くのではない。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
)そんな風に平和のままで相手の人間に近付くと、どの位の利益があるか分るかい。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
その言葉は、翁が福慈神に近付くとき胸に叫んだと同じ言葉ではあるが、翁はただ呟いただけで山に急ぐこころは無かった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
近付くまゝに中の様子を伺えば、寥然として人のありとも想われず、是は不思議とやぶれ戸に耳を付て聞けば竊々と※やくような音、愈あやしく尚耳を澄せば啜り泣する女の声なり。
— 幸田露伴 『風流仏』 青空文庫
「来い、可憐ななつかしい死よ、 地上の限りを隅もなく、落付いた足どりで近付く、近付く、 昼にも、夜にも、凡ての人に、各の人に、 早かれ遅かれ、華車な姿の死よ。
— 有島武郎 『運命と人』 青空文庫
先ずラファエレを前に坐らせ、こちらは少し離れて彼の前に立ち、両腕を伸ばし両方の人差指でラファエレの両眼を指しながら徐々に近づいて行く、こちらの勿体ぶった様子にラファエレは既に恐怖の色を浮べ、指が近付くと眼を閉じて了う。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
近付くと、彼等の耳に黒い耳輪の下つてゐるのが見えた。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫