袖手
しゅうしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
さきに男のすなる事にも関いしは事国家の休戚に関し、女子たりとも袖手傍観すべきに非ず、もし幸いにして、妾にも女の通性とする優しき情と愛とあらば、これを以て有為の士を奨め励まし、及ばずながら常に男子に後援たらんとせしに外ならず、かの男子と共に力を争い、将た功を闘わさんなどは妾の思いも寄らぬ所なり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
吾々は人が決して生きる事が不可能でないのに死なうとしてゐる時、もしくは死ぬかも知れない時、十分に人力の及ぶ範圍を持ちながら袖手傍觀してゐていゝものであらうか。
— 水野仙子 『輝ける朝』 青空文庫
快活的の一派はこれに反してますますその勢力を博し、当時西郷の敗亡を袖手傍観したる板垣氏はひとり民権派の首領たる名誉を擅にして、政界の将来に大望を有するに至る、これを十年十一年の交における政論の一局状となす。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
ましていわんや我輩においては、袖手傍観するばかりだ。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
」しかし、「戦術的には従来の共産党諸氏のやりかたには、与し得ない」として、左右両翼の反作用の時を、袖手傍観しないで促進するためにもと、世界人権宣言に改めて深い関心をよせている。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫
さりとて袖手傍観も、みっともよいものではござらぬよ!
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
権威どころか、荒れ狂う姿を呆然として袖手傍観して居るという有様です。
— 小酒井不木 『人工心臓』 青空文庫
袖手をして傍観す――それ以上に出る事が出来なかった。
— 芥川龍之介 『路上』 青空文庫