寄せては返す
よせてはかえす
動詞-五段-サ行動詞-自動詞
標準
to break on the shore and retreat (of a wave)
文例 · 用例
めさめし時は秋の日西に傾きて丘の紅葉火のごとくかがやき、松の梢を吹くともなく吹く風の調べは遠き島根に寄せては返す波の音にも似たり。
— 国木田独歩 『詩想』 青空文庫
* * * * * あと白浪の寄せては返す、渚長く、身はただ、黄なる雲を蹈むかと、裳も空に浜辺を引かれて、どれだけ来たか、海の音のただ轟々と聞ゆるあたり。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
一の谷、二の谷、三の谷、四の谷かけて、山々峰々縱横に、荒れに荒るゝが手に取るやう、大波の寄せては返すに齊しく、此の一夜に北國空にあらゆる雪を、震ひ落すこと、凄まじい。
— 泉鏡花 『雪の翼』 青空文庫
4「過ぎし想い出の地、道場の森、私は窓辺によりかかり、静かに人生の新しい一|頁とも云うべき事柄を頭に描きつつ、寄せては返す波を眺めている。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
寄せては返す波の音も眠げに怠りて、吹来る風は人を酔はしめんとす。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
気違の取次は金に限るのです」「あら可厭なことを有仰いまし」 吹来り、吹去る風は大浪の寄せては返す如く絶間無く轟きて、その劇きは柱などをひちひちと鳴揺がし、物打倒す犇き、引断る音、圧折る響は此処彼処に聞えて、唯居るさへに胆は冷されぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
あの、倫敦の歴史とは切ってもきれないドクタア・ジョンスンは、その時の淋しいチャアリング・クロス村が後日人間の潮が浪をなして寄せては返す浜べになるであろうといっている。
— 黄と白の群像 『踊る地平線』 青空文庫
今、ハイカラーを見るにだな、頭の髪をスツカリと奇麗に分けた処は、丁度、雌浪雄浪がドー/\と、寄せては返す如く。
— 尾崎放哉 『俺の記』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れの海岸では、波が寄せては返す音が、静かに響いていた。
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子供たちは、砂浜で波が寄せては返すのを眺めながら、貝殻を拾って遊んでいた。
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荒々しい波が岩にぶつかり、砕け散ってはまた寄せて返す、その繰り返しだった。
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