鎮め
しずめ
名詞頻度ランク #43330 · 青空 40 例
標準
controlling
文例 · 用例
今年十七の春父が急いで国元へ引返す際、彼はすぐに騒ぎを打ち鎮めて京へ帰れる見込みで、留守の館には姫の従者として男女一人ずつ残しておきました。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
子ゆえに狂う母の心と、その母を取り鎮めようと努めている家来どもの苦心と、それに対しても余りに強いことも云われない破目になった。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
毎夜のように彼の坐る窓辺、その誘惑――病鬱や生活の苦渋が鎮められ、ある距りをおいて眺められるものとなる心の不思議が、ここの高い欅の梢にも感じられるのだった。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
そうして黙って気を鎮めていると私は自分を捕えている強い感動が一種無感動に似た気持を伴って来ていることを感じた。
— 梶井基次郎 『器楽的幻覚』 青空文庫
それにもう一つは心臓がひどく弱ってしまって、一度咳をしてそれを乱してしまうと、それを再び鎮めるまでに非常に苦しい目を見なければならない。
— 梶井基次郎 『のんきな患者』 青空文庫
しまいにはそれを鎮める姉の声が高くなって来て、勝子もあたりかまわず泣きたてた。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
覚えず叫びしが心を籠めて、気を鎮めて、両の眼を拭い拭い、水に臨む。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
いつのわれにはかわらじを、何とてさはあやまるや、世にただ一人なつかしき姉上までわが顔を見るごとに、気を確に、心を鎮めよ、と涙ながらいわるるにぞ、さてはいかにしてか、心の狂いしにはあらずやとわれとわが身を危ぶむようそのたびになりまさりて、果はまことにものくるわしくもなりもてゆくなる。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫