鬼の念仏
おにのねんぶつ
表現名詞
標準
demon's prayer (Ōtsu-e motif depicting a demon wearing monk's robes and holding a bell)
文例 · 用例
林之助がまだここにいる頃に粗相で一カ所破いたので、なにか切貼りをするものはないかと、彼は近所の絵草紙屋へ行って探した末に、鬼の念仏の一枚絵を買って来て貼り付けた。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
浦島、秋の夜のきぬた、茄子、鬼の念仏、枯枝に烏、払子、茶道具、去年今夜の詩、などのは中でも好きであったようです。
— 小泉節子 『思い出の記』 青空文庫
近寄るに従って一つ一つ、建物が消えてなくなるのも、遠近法から来ているそうで」 こういったのは大津絵の鬼――鬼の念仏の仮装をしている、身長の低い男であった。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
」「これで」と鬼の念仏は、自分の仮面をかかげて見せた。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
……たしなまッせえ、この下司ものめが」 顎十郎は、空吹く風と聞きながし、「ときに叔父上、あなたもめっきりお年をとりましたな、そうしてションボリと文机のまえに坐っているところなんざ、まさに大津絵の鬼の念仏。
— 咸臨丸受取 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
感じから云うと岩佐又兵衛のかいた、鬼の念仏が、念仏をやめて、踊りを踊っている姿である。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
「藤娘」とか、「鬼の念仏」とか、「槍持奴」とか、「鬼に三味線」とか、「提灯釣鐘」とか、「瓢箪鯰」とか、「女虚無僧」とか、「若衆」とか、「竹に虎」とか、「鷲」とか、「鷹」とか、その数は多い。
— 柳宗悦 『工藝の道』 青空文庫
過ぎゆく人々を相手に幾種かの絵を店先に並べ、軒下には看板、よく鬼の念仏を描き、名物大津絵などの文字も読める。
— 柳宗悦 『民藝四十年』 青空文庫
作例 · 標準
例句