審
しん
名詞
標準
文例 · 用例
馬の鳴声には古今の相違があろうと思われないのに、これを表わす音に今昔の相違があるのは不審なようであるが、それにはしかるべき理由があるのである。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
四十七まで区別があって、あと三つだけは同じ音であるのは不審である。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
あの鳴ね聞き給へ、よもあやまらじ」と不審かしうなりて言へば、「月夜に寝ほうけて鳴出る時は常の声とも異なりぬべし。
— 樋口一葉 『すゞろごと』 青空文庫
與四|郎が方に變る心なければ、一日も百|年も同じ日を送れども其頃より美尾が樣子の兎に角に怪しく、ぼんやりと空を眺めて物の手につかぬ不審しさ。
— 樋口一葉 『われから』 青空文庫
我々はしかし文部省あたりの調査や審議に任せて安心しているわけにはゆかない。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
外来語の整理、統制の問題はかくべつ調査や審議を要する問題ではない。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
故に彼等はこの点から、芸術至上主義の審美学に反対して、よりダイナミックの芸術論を主張する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
勿論彼等の芸術論は、当時の浪漫派の文学――それは偏狭な道徳観と審美観とで、あまり多くの選択をしすぎた、――に対する反動として言われたもので、その限りに於ての啓蒙的意義を有する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫