来中
らいちゅう
名詞
標準
文例 · 用例
昔その唐の都の大道を、一時、その何でござりまして、怪しげな道人が、髪を捌いて、何と、骨だらけな蒼い胸を岸破々々と開けました真中へ、人、人という字を書いたのを掻開けて往来中駆廻ったげでござります。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
「元来中学の教師なぞは社会の上流に位するものだからして、単に物質的の快楽ばかり求める可きものでない。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。
— 夏目漱石 『坊っちゃん』 青空文庫
黒い燕が往来中で宙返りを打つ。
— 岡本綺堂 『磯部の若葉』 青空文庫
二人の女は暗い顔を見合わせて、しばらく往来中に突っ立っていると、その頭の上の青空には白い雲が高く流れていた。
— 岡本綺堂 『影を踏まれた女』 青空文庫
彼は家来中での老巧者として知られた渡辺若狭守直綱を呼んで、何か小声で耳打をした。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
その諸神体を、わずかに残れる最劣等の神社に抛り込み、全村無神のありさまにて祭祀も三年来中止す。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
軽い所へ、錠がかかって居たからかたかたと音を立てたが、それと共に、「誰だ」 という家来中川十内の声、刀を取直して壁へぴったり背をつける。
— 直木三十五 『相馬の仇討』 青空文庫