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鉅万

鉅万
名詞
1
標準
文例 · 用例
其後諸大名が解役されると同時に、山城屋も商途を止め、土蔵や邸の外廓をせばめ鉅万の富を緊密に包掌して、質実な家格の威容を近郷に示して居る内、一夏の悪疫に家内は大方死に尽して、かやの父である幸吉ばかりが、三歳ばかりの幼児のままで取のこされた。
岡本かの子 かやの生立 青空文庫
今千両の金を投じて買って置いたなら、他日|鉅万の富を致すことが出来ようといったのである。
森鴎外 渋江抽斎 青空文庫
あの男が少壮にして鉅万の富を譲り受けた時、どう云う志望を懐いていたか、どう云う活動を試みたか、それは僕に語る人がなかった。
森鴎外 百物語 青空文庫
只今でも何人か自分に鉅万の財産を与ふるものあらば自分は最早読書といふ一方に傾かざるべし。
正岡子規 読書弁 青空文庫
曰く、我に鉅万の財を与へて思ふ存分に消費せしむるのみ。
正岡子規 読書弁 青空文庫
我曰く、誰か我に鉅万の財を与ふる者ぞ。
正岡子規 読書弁 青空文庫
かつてここに遊びたる紳商某は足再びその室を出でずして鉅万の産を蕩尽したる事あり。
正岡子規 四百年後の東京 青空文庫
遠慮なく云へば、鉅万の市価を得た足利時代の能衣裳の前よりも、この前には更に潔く、頭を下げざるを得なかつたのである。
芥川龍之介 龍村平蔵氏の芸術 青空文庫