悶躁
もんそう
名詞
標準
文例 · 用例
元来人間は生きたい生きたいの悶躁でばかり動いている。
— 伊藤左千夫 『去年』 青空文庫
「重い泥の中に陥つた心、それはいくら抜け出ようと悶躁いても足が動かない。
— 水野仙子 『脱殼』 青空文庫
他の百姓にも悶躁いて居る者は幾らもある。
— 長塚節 『土』 青空文庫
それでも一生懸命女を捉へようと悶躁いて居たが、身體はブルブル顫へて居て、左の手をかけた卓子の上の、硝子瓶が二つ三つ、相觸れてカチカチと音を立てて居た。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
それでも一生懸命女を捉へようと悶躁いて居たが、身体はブルブル顫へて居て、左の手をかけた卓子の上の、硝子瓶が二つ三つ、相触れてカチカチと音を立てて居た。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
それを堰き止めようとした広河内岳は、頭から大波を被って前へのめりながら、頼りなげに悶躁いている。
— 木暮理太郎 『望岳都東京』 青空文庫
範宴はそれを知るがためにいっそう自責の悶躁につつまれた、彼らに対してすら師として臨む資格はないように思われてくる、あらゆる周囲のものに対して範宴は今まったく裸身になって手をついてしまいたい。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫