渡支
とし
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、もう東京はいやだ、殺風景すぎる、僕は北京に行きたい、世界で一ばん古い都だ、あの都こそ、僕の性格に適しているのだ、なぜといえば、――と、れいの該博の知識の十分の七くらいを縷々と私に陳述して、そうして間もなく飄然と渡支した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
私はその時も、彼の渡支に就いての論説に一も二もなく賛成した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
大隅君が渡支して五年目、すなわち今年の四月中旬、突然、彼から次のような電報が来た。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
彼が渡支してから、もう五年。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
その時代の支那は前代の唐時代よりやや衰えたとはいえ仏教隆盛国として、我国から時々留学を志して渡支致しました。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
その後間もなく西が外務の留学生となって渡支してからも山海数千里を距てて二人は片時も往復の書信を絶やさなかった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
即ち、竹内栖鳳、橋本関雪等の日本第一流の画伯の、渡支帰朝土産の絵画に於てさ!
— 国枝史郎 『赤げっと 支那あちこち』 青空文庫
所が当時は口添えをしてくれたり、いろ/\親切にして呉れたので、支倉を有難いと思いましたが、今考えて見るとどうも一杯嵌められたらしいのです」 火事の出た日の前日の夜、彼が鳥渡支倉の家を訪ねると、支倉は奥の一間でしきりに書物の手入をしていた。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫