投げ遣る
なげやる
動詞
標準
文例 · 用例
渠がかくのごとくなす時は、二厘三厘思い思いに、その掌に投げ遣るべき金沢市中の通者となりおれる僥倖なる漢なりき。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
(抽斗にある艶拭巾を二枚|出して投げ遣る。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
呉一郎の母の千世子は、それを手本にして勉強したに違いないのだ」 と正木博士は投げ遣るように説明しつつ、クルリと横を向いて葉巻を吹かし初めた。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
これは飛んだ失礼、では捨てまするでござりまする』(幸子坊、おくみの方へ松明と火打袋を投げやる。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
」 母はかうなつた段にいくら零しても仕方がない事だといふやうに、投げやるやうにかう言つた。
— 鈴木三重吉 『赤い鳥』 青空文庫
故|陸奥伯の父伊達自得翁この田辺に久しく囚われたうち筆した『余身帰り』に「鼠の夜ごとに出でくるを、これならで訪う物もなき宿なりと思うも哀れにて、果子など投げやるにようよう馴れ顔にて経など読み居る机の前につい居るもおかし。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
5麥の穗づらにさす日か、酒屋男にさす日か、輕ろく投げやるこころのけふをかぎりのあひびき。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
それ/\の題の下に分けて書く、草稿へ棒を引いて向ふへ投げやる。
— 正岡子規 『ラムプの影』 青空文庫