昂
のぼる
名詞
標準
文例 · 用例
只ごうっと吹く風の音、ばらばらっと板屋を打つ雨の音に許り神経は昂進るのである。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
それが幸ひ(だか不幸だか知らないが)一つの昂然たる貴族的精神によつて、今日まで埋没から救はれてるのは、ひとへに全くニイチェから学んだ訓育の為である。
— 萩原朔太郎 『ニイチェに就いての雑感』 青空文庫
つかれた生涯のあぢない晝にも孤獨の暗い部屋の中にもしぜんとやはらかく そよげる窓の光はきたるいきほひたかぶる機能の昂進そは世に艶めけるおもひのかぎりだ勇氣にあふれる希望のすべてだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
我我の情緒が昂進して、何かの強い詩的感動に打たれる時、自然我我の言葉には抑揚がついてくる。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
白痴の主人公は、愛情の昂奮に駆られた時、不意に対手の頭を擲らうとする衝動が起り、押へることが出来ないで苦しむのである。
— 萩原朔太郎 『僕の孤独癖について』 青空文庫
何ともいへない樂しい世界へ、今少しのことで手が屆きさうに思はれるときの快よい焦燥と、そのぞくぞくするやうな心臟のよろこび、そのほつとする心もち、甘つたるい悲しさ、しぜんと涙ぐむやうになる情緒の昂進。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
白痴の主人公は、愛情の昂奮に駆られた時、不意に対手の頭を擲ろうとする衝動が起り、抑えることが出来ないで苦しむのである。
— 萩原朔太郎 『僕の孤独癖について』 青空文庫
己あ其樣に唐人言葉は知らねえ日本人なら日本の言葉で言へ、恁う最う少し胸の透く樣な文句を利いた者だぜ』痛罵しえて意氣昂然たり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫