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聴耳

ちょうみみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
暫時聴耳を聳て何を聞くともなく突立っていたのは、猶お八畳の間を見分する必要が有るかと疑がっていたので。
国木田独歩 酒中日記 青空文庫
私はその返事のバスに人ごとながら聴耳をたてたが、相不変曖昧な言葉が同じように鈍い調子で響くばかりで、やがて女はあきらめたようすでいなくなってしまった。
梶井基次郎 冬の蠅 青空文庫
なにかきこえると聴耳をたてはじめてから、それが一つの可愛いリズムだと思い当てたまでの私の気持は、緊張と云い喜びというにはあまりささやかなものでした。
――或る私信―― 橡の花 青空文庫
この頃ではあんたのおとうさまのご飯のお給仕でもなんでもしますのよ」「まあ、ほんとに恐れ入りますのね」 男同志で語りながら私たち女二人の話にも神経質に聴耳を立てゝいるらしい池上は、このときわたくしの方を向いて、ふと言います。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
僕の思った通りだ」 隣の部屋では、望月三郎が相変らず二人の話に聴耳を立てていた。
織田作之助 それでも私は行く 青空文庫
思わず二階の方へ聴耳が立って行くのだった。
織田作之助 青春の逆説 青空文庫
いつもよりははげしい物音に私も思わず聴耳を立てた。
島木健作 黒猫 青空文庫
親父と銀子は、時々師匠の前でもやり合い、声がはずんで露骨になり、人の好い師匠が驚いて、傍へ来て聴耳を立てたりすると、親父は煩そうに、「そこに何してるんだ。
徳田秋声 縮図 青空文庫