深め
ふかめ
形容動詞
標準
文例 · 用例
その新しき哲学とは、詩に瞑想的な実在観念を深めたことで、浪漫派の純一に情緒主義であったのとは、この点で教養が区別される。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それはこの十年以来、日本の社会が日々に益々憂鬱になり、人心が絶望的に呻吟して、文化がその目的性と希望とを失ひ、年々歳々益々低落の度を深めて来て居るといふ事実である。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
「質屋」という言葉が、特にまた生活の複雑した種々相を考えさせ、山中の一孤村と対照して、一層侘しさの影を深めている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
それに山の霧が多いので、いつも水蒸気で町の軒灯が紅色にかすんで、一層山間都市の華やかな感じを深める。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
結局は露見して、人を幾層倍も強く驚愕させ、激怒させるばかりであるのに、どうしても、その興覚めの現実を言い出し得ず、もう一刻、もう一刻と自ら虚偽の地獄を深めている。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
もっと自覚を深めて下さい。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
もう少しあたりまえの日本人のあたりまえの表情をすることによってかえって真実味を深めるくふうはないものであろうか。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
が、それだけにまた、何かある、何かある――と、さうした疑念が一そう深められずにはゐなかつた。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫