遊び客
あそびきゃく
名詞
標準
文例 · 用例
巴里へ来る遊び客は近頃商売女に飽きた。
— 岡本かの子 『売春婦リゼット』 青空文庫
その頃はちょうど旧暦の盆で、いわゆる盆波の荒いためか、泊り客は無論、日返りの遊び客さえいつもほどは影を見せなかった。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
……しかしふしぎなことには、そこは柳町や松岡町よりも繁昌するばかりでなく、遊び客も職人や日雇取り人足どものほかに、大きな商家の息子や武家の者などが、こういうところあ本当の遊蕩の味があるなどといっては、かなりしげしげかよって来た。
— 山本周五郎 『契りきぬ』 青空文庫
――けれど、ほんの通りがかりに、三十両もする小鳥屋の鵯をツイと籠から放して、生涯の借金に背負っても苦にしないでいる妓もある深川かと思うと、こんな事では、辰巳で遊び客の資格はないのだと、あの通船楼の若いおかみさんの鉄漿がまたどこかで嗤っているような気がするのだった。
— 吉川英治 『春の雁』 青空文庫