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戸袋

とぶくろ
名詞
1
標準
box (built-in) for containing shutters
文例 · 用例
戸袋のすぐ横に、便所の窓の磨硝子から朧な光のさすのに眼をうつすと、痩せたやもりが一疋、雨に迷う蚊を吸うとてか、窓の片側に黒いくの字を画いていた。
寺田寅彦 やもり物語 青空文庫
「家は腰高の塗骨障子を境にして居間と台所との二間のみなれど竹の濡縁の外には聊かなる小庭ありと覚しく、手水鉢のほとりより竹の板目には蔦をからませ、高く釣りたる棚の上には植木鉢を置きたるに、猶表側の見付を見れば入口の庇、戸袋、板目なぞも狭き処を皆それぞれに意匠して網代、船板、洒竹などを用ゐ云々」。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
八月になってから雨天や曇天がしばらく続いて涼み台も片隅の戸袋に立てかけられたままに幾日も経った。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫
――壁の外側に取りつけた戸袋に、二枚の戸を閉めると丁度いゝだけの隙があった。
黒島傳治 窃む女 青空文庫
戸袋の奥へ突きあたるまで深く押しこんだ。
黒島傳治 窃む女 青空文庫
机の前に寝転んで、戸袋をはたく芭蕉の葉ずれを聞きながら、将に来らんとする浦の嵐の壮大を想うた。
寺田寅彦 青空文庫
半ば戸袋へするりと開けると、雪ならぬ夜の白砂、広庭一面、薄雲の影を宿して、屋根を越した月の影が、廂をこぼれて、竹垣に葉かげ大きく、咲きかけるか、今、開くと、朝の色は何々ぞ。
泉鏡花 悪獣篇 青空文庫
浴衣は白地の中形で、模樣は、薄月の空を行交ふ、――又少し明るく成つたが――雲に紛るゝやうであつたが、つい傍の戸袋に風流に絡まり掛つた蔦かづらが其のまゝに染まつたらしい。
泉鏡太郎 淺茅生 青空文庫
作例 · 標準
古い日本家屋なので、雨戸を出し入れするたびに戸袋がガタガタと鳴る。
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戸袋の中に鳥が巣を作ってしまったようで、朝から雛の鳴き声が聞こえる。
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大掃除のついでに、戸袋の隅に溜まった埃や落ち葉をきれいに掃き出した。
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ウィキペディア

戸袋(とぶくろ)とは、引き戸において、戸を開けたときに戸が複数枚収納される場所のことである。住居などの建物の場合、部屋の外側からも内側からも戸をあけた状態では戸が見えない、名前のとおり戸の収納枚数分の厚みの幅を持ったの袋状であることが多いが、部屋の内側からは戸が見える簡易なものもある。引き戸と同じ仕組みの窓をあけたときの収納場所も戸袋という。日本の住宅ではしばしば見かけるが、雨戸がない海外ではあまり見られない。旧来の戸袋は、戸袋から戸を引き出す部分がちょうど鳥の出入り口となるような構造になっているため、長いこと雨戸を開けないでいると、鳥が戸袋を巣箱として利用する場合がある。

出典: 戸袋 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0