燧火
すいか
名詞
標準
文例 · 用例
「何、この方が勝手です、燧火を一つ置いといて頂けば沢山で。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
その晩、また昨夜のように、燧火だけは枕頭へ置いて火の用心に灯は消して寝たんですが。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
」と膝行歩きて、燧火か、附木か、探す様子。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
すると松島は近所で聞こえる燧火の音に神経が苛立ち、とんとんと段梯子をおりて来て、「おい、近所は忙しいぞ。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
第八節 また、常州土浦町、五頭氏の報知によれば、「盆の裏へ狐狗狸の三字を指頭にて書き、それに風呂敷ようのものを掛け、これに燧火をいたす、云云」とあり。
— 井上円了 『妖怪玄談』 青空文庫
次いで寮へ上がり込んだところでは、志丈をしてここへくる前立ち寄った臥龍梅における新三郎の句を「煙草には燧火のむまし梅の中」、志丈自身のを「梅ほめて紛らかしけり門違い」と披露せしめている。
— 「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について 『我が圓朝研究』 青空文庫
そのふっさりとしたる間へ火口に似た木の葉で拵えたものを入れてそれから日本の昔の流儀で燧火石を打って火を移すのです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
坊やんは火をつける事を好んで、毎日家族の油断をねらひすましては燧火をすつて藁屋敷の廂などへつけ/\したが、いつも家族の誰かに発見せられては消されてしまつた。
— 飯田蛇笏 『秋風』 青空文庫