気脈
きみゃく
名詞
標準
tacit understanding
文例 · 用例
待設けたる斉泰は、たゞちに符を発し使を遣わし、往いて燕府の官属を逮捕せしめ、密に謝貴張※をして、燕府に在りて内応を約せる長史葛誠、指揮盧振と気脈を通ぜしめ、北平|都指揮張信というものゝ、燕王の信任するところとなるを利し、密勅を下して、急に燕王を執えしむ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
後には吉原の西の宮と云う引手茶屋と、末造の出張所とは気脈を通じていて、出張所で承知していれば、金がなくても遊ばれるようになっていた。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
慶喜が二条城を去った後、永井|玄蕃頭が、之を預り大場一心斎麾下の水戸兵二百人と、新選組百五十人が守備に任じていたが、大場は元来勤王思想があるので薩長と気脈を通じている容子があるので、近藤勇は憤慨して、十七日に二条を去って伏見に来て、其地の奉行所衛兵と合同して、警備の任に就いた。
— 菊池寛 『鳥羽伏見の戦』 青空文庫
颶風の如く、御坊の羽黒と気脈を通じて、またゝく間の今度の催。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
そのためには、グズグズしてると不純な分子藤原のごとき、小倉、波田のごときが乗り込んで来ると、いけないというので、気脈相通ずる火夫長とナンブトー(ナンバーツーオイルマン)とを誘惑して、伝馬を占領してしまった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
学而の章に就いて、前節とこの節と、別項の事として看る時はこれ別項の事であるが、一緒の事と看る時はこれ一緒の事、その中に自然と気脈の通ずるものがあると看る方が優れている。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
唯、文学論としてよりは小生一個の希望――文学に対する註文を有体に云うと、今日の享楽主義又は耽美主義の底には、沈痛なる人生の叫びを蔵しているのを認めないではないが、何処かに浮気な態度があって昔の硯友社や根岸党と同一気脈を伝うるのを慊らず思ってる。
— 内田魯庵 『二十五年間の文人の社会的地位の進歩』 青空文庫
殊に共産党のあの芳秋蘭は、お柳の主人の銭石山と、気脈を通じているにちがいない。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
標準
blood vessel