打ち開ける
うちあける
動詞
標準
文例 · 用例
――何にしても四年間金鎖草の花を分けて眺めさしてあげたあたしの好意に対しても万事打ち開けるものよ。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
卑劣と知って、人の手先にはならんでも、われに対する好意から、見損なった母の意を承けて、御互に面白からぬ結果を、必然の期程以前に、家庭のなかに打ち開ける事がないとも限らん。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
さては、奴め打ち開ける気持だな……と、思ったとき向うの気が変ったらしく、今度は、その封筒がスルスルっと引っ込められてゆく。
— 遊魂境 『人外魔境』 青空文庫
「僕のも大分神秘的で、故小泉八雲先生に話したら非常に受けるのだが、惜しい事に先生は永眠されたから、実のところ話す張合もないんだが、せっかくだから打ち開けるよ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
あなたは、今私が真に信頼して私の心を打ち開ける事の出来る唯一の方です。
— 浜尾四郎 『死者の権利』 青空文庫
それを今さら駒子に打ち開けるのは切ないが、お米お源の出現に誰よりも悲しい思いを噛みしめている駒子のこと、彼女の母が正二郎の本妻であったと知って驚くにしても、時によりけり、杖とも力とも頼む思いがするかも知れん。
— その八 時計館の秘密 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
舟久はすすんで秘密をうちあけて、「私がこんなことを打ち開けるのは、先代のコマ五郎にカリがあるからでさア。
— その十五 赤罠 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
恩人が隠したがっていたことを打ち開けるのは悪いようだが、今となっては、そうではありますまい。
— その十五 赤罠 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫