泥中
でいちゅう
名詞
標準
in the mud or mire
文例 · 用例
ちょうど「泥中の蓮の花」のように、雑多な野心や誘惑や愛欲の真只中に生活しながらもその汚れに染まず、しかもその欲望、誘惑をうまく消化善用して立派な人格完成、絶対の安心、無上の幸福という花を咲かせるのです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
文覚が袈裟を害したるは実に彼の心機を開発したるものなり、蓮花蕾を破りて玉女泥中に現れたるは、実にこの晨なり。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
中には穀物の粒を石膏泥中に轉して作れるあり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
梓はあたかも悪夢に襲われて、幻の苦患を嘗めていた、冷汗もまだ止らなかったくらいの処へ、この夢を話されて、面を赤うするまで心に恥じた、あわれ泥中のこの白き蓮に比して、我が心かえって汚れたりと、学士はしみじみ蝶吉の清い心を知った。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
自分が雨中を奔走するのはあえて苦痛とは思わないが、牛が雨を浴みつつ泥中に立っているのを見ては、言語にいえない切なさを感ずるのである。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫
自分が雨中を奔走するのは敢て苦痛とも思はないが、牛が雨を浴みつゝ泥中に立つて居るのを見ては、言語に云へない切なさを感ずるのである。
— 伊藤左千夫 『水害雜録』 青空文庫
彼はこの人の世に、さばかり清く新くも、崇く優くも、高く麗くも、又は、完くも大いなる者在るを信ぜざらんと為るばかりに、一度は目前睹るを得て、その倒懸の苦を寛うせん、と心|※くが如く望みたりしを、今却りて浮萍の底に沈める泥中の光に値へる卒爾の歓極まれればなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
飲んで飲みまくった揚句は、ついに泥中に転げ廻ってその穢を知らず、宛然猪の所作をする。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
作例 · 標準
泥中の蓮のように、清らかでいたいと願う。
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泥中の泥をすくい上げるのは、容易ではない。
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汚れた泥中の宝を見つけ出すのは、困難な作業だ。
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