髪黒
かみくろ
名詞
標準
文例 · 用例
髪黒く、色雪のごとく、厳しく正しく艶に気高き貴女の、繕わぬ姿したのが、すらりと入った。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
…… 来方は我にもあり、ただ御身は髪黒く、顔白きに、我は頭蒼く、面の黄なるのみ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
「わツ、」と叫んで、其の咽喉を掴んだまゝ、投げ附けやうとして振挙げた手の、筋が釣つて棒の如くに衝と挙げると、女の像は鶴のやうに、ちら/\と髪黒く、青年の肩越に翼を乱して飜つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
おまえは、まだ、あのおやじのこころをほんとによく知っていないのだ」 そこで逸作は、七十二になる父が髪黒々としつつ、そしてなお生に執したことから説いて、「おやじは古り行く家に、必死と若さを欲していたのだ。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
髪黒く、色雪の如く、厳しく正しく艶に気高き貴女の、繕はぬ姿したのが、すらりと入つた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
あてなる女の髪黒く面白きが、此の花を簪にしたる、いと美はし。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
すると入ってきたのが、中肉中背、黒髪黒目黒鬚の男で、鼻のあたりがてかてか、身のこなしはきびきび、話し方ははきはきで、時間の価値を知っている男のようでした。
— THE STOCK-BROKER'S CLERK 『株式仲買人』 青空文庫
イイダといふ姫は丈高く痩肉にて、五人の若き貴婦人のうち、この君のみ髪黒し。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫