箱火鉢
はこひばち
名詞
標準
brazier encased in a wooden box
文例 · 用例
……」を機会に、行火の箱火鉢の蒲団の下へ、潜込ましたと早合点の膝小僧が、すぽりと気が抜けて、二ツ、ちょこなんと揃って、灯に照れたからである。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
たしか、中央の台に、まだ大な箱火鉢が出ていた……そこで、ハタと打撞ったその縮緬の炎から、急に瞳を傍へ外らして、横ざまにプラットフォームへ出ようとすると、戸口の柱に、ポンと出た、も一つ赤いもの。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
ふと例の煙草屋の金歯の亭主が、箱火鉢を前に、胸を反らせて、煙管を逆に吹口でぴたり戸外を指して、ニヤリと笑ったのが目に附くと同時に、四五人|店前を塞いだ書生が、こなたを見向いて、八の字が崩れ、九の字が分れたかと一同に立騒いで、よう、と声を懸ける、万歳、と云う、叱、と圧えた者がある。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
葉鉄落しの灰の濡れた箱火鉢の縁に、じりじりと燃える陰気な蝋燭を、舌のようになめらかして、しょんぼりと蒼ざめた、髪の毛の蓬なのが、この小屋の……ぬしと言いたい、墓から出た状の進藤延一。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
なぜというに、仕入ものの、おとしの浅い箱火鉢の前に、二十六七の、色白で、ぽっとりした……生際はちっと薄いが、桃色の手柄の丸髷で、何だか、はれぼったい、瞼をほんのりと、ほかほかする小春日の日当りに表を張って、客欲しそうに坐っているから。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
」 お嬢さんは細い指を、白く揃えて、箱火鉢に寄せた。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
船の胴間でけんどん箱から食品を取り出して膳に配置したり、箱火鉢の銅壺に徳利を浸したりしていたおきみは、あとを船頭に任して表の間へ膳を運んで来ました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
大抵どの下宿屋にも特別に幅を利かせている客があるもので、そう云う客は第一金廻りが好く、小気が利いていて、お上さんが箱火鉢を控えて据わっている前の廊下を通るときは、きっと声を掛ける。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
作例 · 標準
冬の寒い夜は、箱火鉢を囲んで暖を取るのが一番だ。
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祖父はいつも箱火鉢のそばで、ゆっくりと時間を過ごしていた。
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箱火鉢の上で、餅を焼いて食べた。
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