思いがち
おもいがち
表現
標準
apt to think
文例 · 用例
いくたびか一杯くわされて苦汁をなめながら、なおかつ小説家というものは実際の話しか書かぬ人間だと、思いがちなのである。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
カメラには高性能のレンズをと思いがちだが、西村はこれも天体望遠鏡のキットのもので充分使い物になると書いていた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
」 矢代は、このような原始的な、いのちの歓びに溢れた夫婦の美しさを、いつの間にかもっとも低級と思いがちになっている一般の判断がおぞましくて云ったのだが、しかし、そんな自分の意見は、この場合まだ二人には棘となって立ち云い出しがたかった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
そして牛は馬のことが理解出来ないが故に尊敬するということは少なく、大概の場合悪く思いがちであります。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
涼やかな軟風にさざなみを立てている不忍池畔の池添い道を、鉄色無地の羽二重の着流し姿に、橘の加賀紋をつけた黒い短か羽織茶色の帯に、蝋塗細身の大小の落し差し、編笠にかくれた面立は解りませぬが、年のころは三十あまりと思われるのが、只一人、供もつれず、物思いがちにブラリブラリと逍遙っておりました。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
しばらく経って私は明林寺の鬱然たる境内、危そうな象形文字を印したる凸凹道を物思いがちに辿っていた。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
負けた、という思いがちらとひらめたが、あとはしいんとなった。
— 豊島与志雄 『花ふぶき』 青空文庫
精神の衰弱期に、魔術を用いると、淫しがちであり、えゝ、まゝよ、死んでもいゝやと思いがちで、最も強烈な自覚症状としては、もう仕事もできなくなった、文学もイヤになった、これが、自分の本音のように思われる。
— 坂口安吾 『不良少年とキリスト』 青空文庫
作例 · 標準
例句